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「きれいに使って頂きありがとうございます」の恐るべき効果
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日本人ならどこかで見たことがある

「きれいに使っていただき、ありがとうございます」

の文字。

 

そう、公共のトイレですね。

あれを見て怒り出す人もいるんだとか。

「いやみったらしく言うな!」と。

 

…おそらく、その人は心当たりがあるんでしょうね。

自分が汚してしまったことの。

 

今では単に、直接的に注意を促さない

”やわらかい表現”として使われている、この

「きれいに使っていただき、ありがとうございます」

ですが、

あれって実は、

すごく科学的にも有効な張り紙なんです。

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心理学的効果

「トイレをきれいに使って欲しい」

…その願いを叶えるために、トイレ使用者への注意の促し方は何通りかあります。

たとえば、

 

①トイレはきれいに使いましょう。(促す)

②トイレを汚してはいけません。(禁止)

③トイレを汚すのはルール違反です。(罰がある?)

④トイレを汚すと次に使う人が困ります。(他人が迷惑する)

⑤いつもトイレをきれいにお使いいただきありがとうございます。(感謝)



 

①と②では、

あまりにも当たり前すぎて、見落としてしまいます。

③は、

ちょっと行き過ぎた表現で逆に現実味がないです。

(せめて「マナー違反」でしょうか?でもそれも軽い感じがしますね。)

日本人に効果があるのは、

④と⑤なのだそうです。

 

④は確かに分かる感じがしますね、

近所隣を非常に気にする国民性ですからね。

もっと強烈な言い方をするとしたら、

「みんなきれいに使ってますよ? あなたもきれいに使ってくれますよね?」

と、こんな感じでしょうか?

でも意外にも、

 

一番効果があったのは⑤

 

なんです。

これにもやはり、

日本人の国民性が反映されています。

 

日本人は

感謝欲(感謝されたい、ありがとうと言われたいという動機)と

抽象概念動機(難しいことを考えるのが好き)

が非常に高い性質を持っています。



確かに、

まだきれいに使ってもらってないのに

「きれいに使っていただき〜」と言うのは、

回りくどい注意の仕方です。

でもそんなこと日本人には全く問題になりません。

加えて「感謝欲」が強いので、

このように

「感謝を込めて行動を支持される」のが

一番従いやすい

のです。

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脳科学的にも効果あり?

「吊り橋効果」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

これはかんたんに言うと、

男女がドキドキしながら吊り橋を渡ると、

その「ドキドキ」を、
相手が好きな「ドキドキ」と勘違いしてしまうというものです。

脳はそのドキドキが何によるドキドキなのか、
はっきり区別できないのです。

「吊り橋を渡るときは落ちることを想像してしまい、

命を危機を感じて心拍数が上がる…」

という論理的思考より、

直感的察知のほうが脳は得意。

ここ覚えときましょう。


そのくせ、

脳は

「矛盾を嫌う」

という性質があります。

自分がとった行動が感情と矛盾するとき、

脳はこの

「行動と感情が背反した不安定な状態」

を逃れようとします。

だから、

吊り橋を一緒に渡った人のことを好きになってしまうような現象が起こりうるんですね。

 

さて、

トイレの張り紙の話に戻しましょう。

「きれいに使っていただき、ありがとうございます」の張り紙は、こうした

「脳は矛盾を嫌う」という性質を巧みに利用していると言えます。

きれいに使わないと言われるはずのない言葉なのですから。

それこそ、汚してしまったら”矛盾”が発生してしまいます。

 

ですから人は、ああいった張り紙を見ると、

自然と「きれいに使わなきゃ」と脳にスイッチが入ってしまうのです。

冒頭に紹介しましたね、怒る人もいると。

あの張り紙で怒ってしまう人は、

「オレはいつも汚して使ってるのにこんなこと言われるはずがない」

と、そんな矛盾で苦しんでいるわけです…。

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