物語や小説はなぜ面白いのか?その構造とは?
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前回は、

「なぜ人は物語を好むのか?」

といった内容でしたが、


今回はそれに続き、

「人はいったい、物語のどこを面白いと感じるのか?」

を、一緒に考えていきたいと思います。
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物語の特質を「昔話」から考える

物語がどうして面白いのか、

ということを考えるに際しても、

やはり、昔話を見ていくのが一番良いでしょう。


昔話こそ原始の物語、

つまり、物語の基本と言えます。

(あとで必ず「小説」にも触れますのでお待ち下さい。)

 

昔話には、不思議と世界中に似たような話が

たくさん転がっています。

 

たとえば、

超人的な子供の話。

 

鬼退治をした(日本の)「桃太郎」もそうですが、


ギリシャ神話にも、

生まれてすぐにアポローンが飼っていた牛を盗み出した

ヘルメース(ゼウスとニュムペーのマイアの子)の話がありますし、

幼児の時に2匹の蛇を殺した、ヘラクレスの話もあります。


また、昔話は、

古来より人々の間に伝承されてきたものですが、

 

ひとつの物語が生まれると、その物語に手が加えられ、

みんなが共通して持っている要求に合うように、

修正を加えられてきたといった特質を持ちます。

 

ですから、

昔話には、それ自体に、

人間の根源的で基本的な欲求が満たされるような“機能”

が備わっているのです。

 

もちろん、

時にはハッピーエンドでは終わらない話もありますが、

 

前回の記事にも書いたように、

人は物語を「自分がこの世を生きる参考材料」にしようとします。


当然、生きていると、

思い通りにならないことも多いです。

(むしろ、そのほうが多いかも知れません。)

 

「面白いもの」を求める……ということは、

逆説的に言うと、人が求めるものは「面白い」のです。

 

これはごく当たり前です。

(人が求める味は「おいしい」ですし、

人が求める感覚は「気持ちいい(心地よい)」

ことと同じですね。)

 

つまり、

 

「物語」は

人間の根源的な欲求を満たしたしているから、

面白いと感じるのです。

 

これをさらにもう一度ひっくり返して言えば、

 

「物語」は

人間の根源的な欲求を満たしていなければ、

面白いとは言えない……

 

ということになります。

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「欲求を満たす」+「共感」=「面白い」

私自身、物語を書くのですけれど、

そのフィールドは「童話」に定めています。

 

児童文学、絵本といったジャンル分けは、非常に微妙ですが、

このあたりは私の見解も交え、

また別の機会に書こうと思います。

 

ところで、「小説」ですけれど、

辞書には、

 

文学の一形態。作者の構想を通じて、人物や事件、人間社会を描き出そうとする、話の筋をもった散文体の作品。

 

とあります。

 

小説とは、もともと中国で、

日常の出来事に関する意見・主張等を書いた文章

のことだったようです。

 

日本におい「小説」という言葉が広まったのはは、

明治時代の文豪、坪内逍遥が『小説神髄』での中で、

“novel の訳語”として用いていたのが、始まりだそうです。

 

ですから、これも定義は非常にあいまいで難しいものですね。

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しかし、私の見解を述べておきましょう。

 

小説

「人の人生」を描くことで、哲学を語るもの。

 

一方、

童話や短い話

(より短く)「エピソード」を描くことで、哲学を語るもの。

 

……このような理解でいいのではないかと思っています。

 

当然、どれも

「物語」というくくりにおいては同じです。

 

物語は、

人の欲求に叶うように

面白くなくちゃいけないのは当然のこととして、

 

そこには、必ず、

「哲学(作った人の思い)」

があります。


これはストレートに言うと

「世の中はこうあって欲しい」

という願いそのものですね。

 

これが読者または聴く人の、共感を呼び、

「おもしろい」という感じるにいたるのです。

 

じゃあ、

なぜ人は共感を求めるのか?

 

ここにも踏み込もうとすると、

いい加減キリがなくなってきますが(笑)、

端的に言うと、

 

自分を肯定するため

 

です。


ややこしい話が続いていますが、

最後に強引にまとめてみますと、

 

「物語(小説の他ジャンル全て含む)」というものは、

 

人がこの世を生きるために「参考材料」とできるもので……

人の「根源的な欲求」も満たしてくれ……

これによって「自分自身を肯定」することができる……

 

そして、こうしたことを人間が求めるのは、

いわゆる“本能”

 

だから当然、

人が物語に触れて、感じるのは、

「面白い」という価値評価(判断)なんです。

 

……以上、

「物語はなぜ面白いのか?」

お分かりいただけたでしょうか?

(とても、ややこしいお話でした。)


……というわけで、今回はこのへんで。

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