SC序論①/5|第三者視点の重要性

豊かな人生は考え方次第

人は、誰しも悩むもの。

考えるからこそ、悩みが生じます。

では、考えることはよくないことでしょうか?

そんなことはありません。

人は考えることで、人生をより充実したものに、より安全なものにすることができます。

考えることは、いわば人間の武器。

しかし、悩みや迷いやストレスと上手に付き合うためには、実はコツがあります。

それは、考え方のコツです。

これを知っているのと知らないのとでは、人生の豊かさに大きな差が出てきてしまいます……。

他人のことならよく見える?

『岡目八目(おかめはちもく)』という言葉をご存知でしょうか?

これは、「他人の打っている囲碁を傍から見ている者は、対局者よりも八目も先の手が見える」という意味です。

もちろん、観戦者が実際の対局者よりうわ手のはずがないのですが、局外者であるために、対局者の見えないところが見えるというわけです。

 

外国人になったつもりで日本を見れば

外国人が、日本の風景や文化や景色に触れ、驚いて目を丸くするのは、日本という国を“外側”から見ているからです。

日本は諸外国に比べ、異なる面や恵まれた面が多くある国。

日本に住んでいる私たちも、常に“外側”からこの国を見る目を持てば、きっと外国人と同じように驚きと感謝に満ちた毎日を送ることができるではずです。

 

第三者の視点でこそ本質が見えてくる

上記2つの例に限らず、〈第三者〉の目には明白なことが、〈当事者〉の目にはまったく入らない……ということは往々にしてあります。

双方の見方は異なるどころか、真逆であることだって少なくありません。

「海外へ渡って、改めて日本のよさが分かった」
「この会社へ移ってきて、改めて前の会社の良さが分かった」
「病気になって、改めて健康のありがたみが分かった」

などと語るケースは多いですが、あれらも同じです。

〈当事者意識〉を離れ、〈第三者の視点〉を持った時に初めて本質が見えてくるということがあるのです。

常識って本当に正しいの?!

ついでにもうひとつ言えば、「常識」とは、世間的慣習に依拠しているものに過ぎません。
何となく当たり前になっているから皆それに従っている、ということです。

このことが皆きちんと認識できていればいいのですが、「常識」はしばしば「公認された正しいことだ」とみなされています。

なぜ、“正しくない可能性のある常識”すらも、検証されないのでしょう?

それは、多くの人が自分で考えるのを億劫がり、単純で明快に目に見えるものを好むからです。

悩みや迷いの脱出口がどうしても見えてこない時には、いっそ常識(と思っていること)すらも再検証するくらい引いた目線で自分を振り返ってみることも有効でしょう。

 

第三者視点を得るのに有効な「思考整理メモ」とは?

もし、思考が行き詰まり、「もはや、何をどう考えればいいかのすらも分からなくなった……」という時には、「思考整理メモ」チャレンジしてみることがオススメです。

やり方自体はごくかんたんで、以下のような2ステップです。

 

❶ 紙に要点を書きながら考える
要点を絞ることが難しければ、すべて書いても構いません。
とにかく頭の中にあることを、どんどん書き出していきましょう。
小さな紙よりも大きな紙を使ったほうが、のびのびと思考の羽をのばすことができます。

 

❷ 事実以外の言葉を除き、時系列に並べる
次に、そこから、「予想」「思惑」、「期待」、「感情的な言葉」をすべて取り除いてみましょう。
すると、事実だけが残ります。
さらに、それを、時系列(起きた順番)に並べてみましょう。
こうして出来上がったメモにさっと目を通すだけで、考えの偏りや誤りを効率よく見つけることができます。

 

これを行う際、重要なのは、書かれた文字・文章が、自分以外の他人にも分かるように書かれていることです。(→他のちょっとしたコツ)

書き方の細かなテクニックとして、たとえば、
「彼との結婚について考えている」
では少しも具体的ではなく、考えが方向性を持ちません。
こうした場合は、
「早く結婚をして幸せな家庭を築きたい自分と、まだまだ仕事に趣味に没頭したい彼との、結婚に対する温度差をどう埋めようか考えている」
といったように書き、“考える方向”を定めるようにしましょう。)

自分の頭の奥にある考えを、誰でも読めるような文章に変換することで、あなたの中にくっきりと“第三者視点”が芽生えます。

自分だけで考えているのは、言わば「夢の中」にいるようなもの。

“第三者視点”を持つことで、ようやく自分自身が「現実」に出現するのです。

悩みとは事実ではなく心の問題!

こここで出来上がった思考整理メモを見ると、多くの人が「あれ?」と思うことでしょう。

そこには、悩みが書かれていないのです。

“第三者視点”で事実だけを眺めると、そこには悩みが書かれていない……これによって見えてくるのは、『悩みのほとんどが事実ではない』ということです。

要するに、悩みというのは、心の問題なのです。

多くの人は問題を解決するために、事実をどうにかしようと画策しますが、本当の問題は心にある……つまり、考え方・捉え方次第なのです。

まずは、そこに気付くことが、問題解決の第一歩。

したがって、いかに自分を“第三者視点”で見られるか?が、悩みや迷いやストレスから離れるための最も重要なカギとなってきます。

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