SC序論④/5|自分の頭で考える重要性および「バーナム効果」について

心理テストは嘘ばかり?

SC序論③では、中国故事を用いた性格診断をお試しいただきました。

これはストーリーカウンセリングの原稿で出てくる中国故事に、親しんでもらおうという意図からでした。

「当たってそう」と感じた方、「いまいちピンとこないなぁ」と感じた方、さまざまだったのではないでしょうか?

こうした心理テストの類では、『断言する』というところがポイントです。

ですが、実はあのようなものは、根拠はさほどないんです。

ああしたカテゴリ分けは、私が“何となく”分けただけ。

チャートの選択肢も、私が“何となく”作ってみただけです。

あくまでも作り手の“独断と偏見”

とは言え、当然、指標くらいはあります。

あれを作るにあたり、まず、諸子百家の中の代表的なものを優しさ順に並べてみました。

「法家」の韓非子は、為政者が人民に隠れて密かに読んだくらいなので、厳しさ最上位。

「菜根譚」は、「儒家」と「道家」のいいとこどりなので、その中間 。

個人的に「道家」が一番優しいと考えますので、「呻吟語」は、その横くらいが適当です。

「孫子」は兵法書なので、この尺度からは外しました。

ちなみに、すべて私の“独断と偏見”です。

根拠ゼロではありませんが、どこまでいっても“何となく”です。

(そもそも、こういったものを優しい・厳しいという見方をしていいものかも分かりません。)

なお、設問内容については、心理学研究家の間でよく使われている設問項目と、催眠セラピスト、ジョン・キャパス氏が提唱する性格診断の項目をミックスして、私が独自に作りました。

バーナム効果とは?

心理テストや占いが好きな方は多いと思います。

こうしたものにはすべて「バーナム効果」という、他人を説得する原理、自らを欺く原理が活用されています。

人がいかがわしげな情報を信じてしまう理由は、大きく分けて以下の3つです。

心地良い内容であれば、人は嘘の情報でも信じてしまう
他人からの承認欲求が強いと、人はすぐに騙されてしまう
あいまいな表現でも断定されると、人はなぜか信じやすくなってしまう

こうしたテクニックを用いて、誰にでも該当するようにうまく書かれている文章を「バーナム的文章」と言います。

実は、SC序論3の性格診断チャートの中にあった〈開運のアドバイス〉の部分は、意図的にこのバーナム的文章を用いています。

人は「これはあなたのために用意されたものだ」と言われると、客観的に判断することが難しくなってしまうのです。

これは現代においても、ニセ占い師や、ニセ宗教家、詐欺師などの間で、普通に使われているテクニックの一つです。

自分の頭で考える=自分の人生を生きる

私は、バーナム効果が全て“悪”だとは思っていません。

心理テストや占いが救いになることもありますし、エンターテイメントとして楽しめる部分もあります。

ただ私は、こういったこと(心理テストの構造やバーナム効果のこと)も皆さんに知っておいて欲しいのです。

人は、考えます。

考えるから、時には悩みます。

時には心が弱り、自分の頭で考えることが面倒になることもあるでしょう。

しかし、自分でしっかりと考えることをしなければ、

・他人の真似をする
・他人の考えに沿って生きていく
・他人の指図のまま、他人に要求されるままに生きていく

しかありません。

自分の頭で考えないということは、自分の人生を放棄するのと同じことです。

裏返して言えば、自分の頭で考えるということは、他人任せではない自分の人生を生きるということなのです。

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