SC序論③/5|中国故事を用いた性格診断チャート

中国故事のストーリーには生きるヒントが満載

SC序論②では、日本の昔話をひとつ例に挙げながら、ストーリーによって思考を整理するという考え方についてご説明しましたが、ストーリーカウンセリングで実際に用いるのは、『中国故事』です。

ですので、ここでは、中国故事に親しむための情報をちょっぴりご案内します。

「故事」というのは、昔から伝わっている話やいわれのことで、日本で言えば「諺(ことわざ)」が近いですね。

諺の場合、「二階から目薬」といったように主にたとえ話ですが、故事の場合、必ず“元になったエピソード”があります。

つまり、故事は諺よりも“ストーリー性”が強いと言えるでしょう。

(日本人からすると、昔話と諺の合体形のようなイメージです。)

そしてその短いストーリーには、 悩み、不安、迷いの多い現代を生き抜くためのさまざまなヒントが詰まっています。

中国故事を用いた性格診断チャート

ここで特別に、あなたの現在の悩み、不安、迷いに対し、諸子百家の中のどんな故事がヒントになるかが分かる、Yes/No性格診断チャート(完全オリジナル)をご用意しました。

ぜひ、チャレンジしてみてください。

※諸子百家(しょしひゃっか)=諸子とは多くの学者や先生、百家とは多くの学派のこと。

 

 

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Aと診断されたあなたにオススメなのは?

儒家(じゅか)……あなたはきっと「愛こそすべて!」なタイプ

 

孔子(こうし) 「仁」という概念を思想の柱とし、「徳治主義」を説いた儒家の始祖。以前からあった儒教を取りまとめて、一つの教義とした。弟子たちが編纂した「論語」は聖書に次ぐロングセラー。 【例】
「教えありて類(るい)なし」
(人は教えてこそ成長する )
孟子(もうし) 孔子の孫弟子の孫弟子で、儒家のNo.2 。「性善説」を唱え、欲望に打ち勝って徳性を発揮するためには修練が必要と考え、孔子の「仁」に社会的規範をプラスした「仁義」を大事にした。 【例】
「行く者は追わず、来る者は拒ま
ず」
(さらっとした付き合いを心がけよう )
荀子(じゅんし) 孟子の「性善説」に対して「性悪説」を唱えた儒家。人は努力によって自らを高めていくべきであるというのが荀子の思想の根源で、何よりも「礼」を重視した。 【例】
「雩(う)して雨降るは、何ぞや。曰く、何もなし」
(祈らなくても雨は降る )

 

【Aのあなたのためのアドバイス】

自分に対して厳しすぎるところがあるあなた。リラックスも重要ですよ。

 

 

Bと診断されたあなたにオススメなのは?

道家(どうか)……あなたはきっと「自由に生きようぜ!」なタイプ

 

老子(ろうし) 万物の根源を「道(たお)」と呼んだ、道家の祖。「道」はすなわち「無」であり、対象としては捉えられない。よって、自然の道に従って生きる「無為自然」の生き方を理想とした。 【例】
「企(つまだ)つ者は立たず、 跨(また)ぐ者は行かず」
(背伸びせず、 自分にふさわしい努力をしよう )
荘子(そうし) 老子の後継者。「道(タオ)」の思想を、さらに広大な宇宙からの観点にまで広げる。世間の常識や時流にこだわらず、「超然」として心穏やかに自由に生きることを説いた。 【例】
「寿(いのちなが)ければ辱(は
じ)多し」
(長く生きていればいろんな場面
があるものだ )

 

【Bのあなたのためのアドバイス】

時に、かなり非現実的な野望を抱いてしまうことがあるあなた。その時々で水のように形を変え、柔軟に生きていきましょう。

 

 

Cと診断されたあなたにオススメなのは?

法家(ほうか)……あなたはきっと「賢く、時には容赦なく」なタイプ

 

韓非子(かんぴし) 儒家の荀子から学び、「法治主義」を説いた法家の代表的人物。「性悪説」を「人性利己説」にまで徹底して『韓非子』を編纂。それを読んだ始皇帝は、史上初の中国統一を成し遂げる。 【例】
「それ沐(もく)する者は髪を棄(す)つるあり。除(じょ) する者は地肉を傷(やぶ)る」
(何事にも犠牲はともなうものだ )

 

【Cのあなたのためのアドバイス】

自分の考えをしっかり持っていて、根拠なしに人の言うことを信じてしまうことはないと自負しているあなた。自分に厳しくするのはいいですが、相手にまで自分の基準を当てはめてはいけません。精神的な消耗を避けるためにも、自分の感情をしっかりコントロールしましょう。

 

 

Dと診断されたあなたにオススメなのは?

兵家(へいか)……あなたはきっと「闘いを勝ち抜け!」なタイプ

 

孫子(そんし) 中国春秋時代の軍事思想家。それまで天運に左右されると言われていた戦争の勝敗を人為によるものとし、勝利を得るための指針を理論化した「孫子(の兵法) 」の著者 【例】
「算多きは勝ち、算少なきは敗(やぶ)る」
(戦には慎重に慎重を期すべき。勝負は時の運などではない)

 

【Dのあなたのためのアドバイス】

外交的で愛想がよく、付き合いがいい時もある反面、内向的で用心深く、引きこもってしまう時もあるあなた。自分に必要な睡眠時間や、テンションが上がる食べ物、夢中になれる趣味などを把握し、その時々に寄り添った過ごし方をするよう心がけましょう。

 

 

Eと診断されたあなたにオススメなのは?

菜根譚(さいこんたん)……あなたはきっと「本音も建前も大事!」なタイプ

 

菜根譚(さいこんたん) 明(みん)の時代の著作家・洪 (こうじせい)による随筆 。これは儒教と道教、さらには仏教の教えを融合したハイブリッド処世術で、独特の味わいがある。中国本国よりも日本の儒者や禅僧の間で愛読されてきた古典。 【例】
「人品は極処(きょくしょ)になしいたれば、他異あることなし」
(最高に完成された人格は、少しも変わったところがなく、平凡そのものだ)

 

【Eのあなたのためのアドバイス】

自分を素直に出しすぎてしまうのもあまり懸命ではないということを、これまでの人生経験で学んできたあなた。一番大事なのは、少々のことには動じないよう自分を磨くことだということを、常に忘れないように。

 

 

Fと診断されたあなたにオススメなのは?

呻吟語(しんぎんご)……あなたはきっと「先人の経験に学ぼう!」なタイプ

 

呻吟語(しんぎんご) 明の時代の哲学者 ・呂坤(りょこん)が記した自己啓発の書。「呻吟」とは“うめき”のことで、人物論、処世術から政治哲学に至るまでを切々と説いている人間修養の書。 【例】
「人を責むるには含蓄(がんちく)せんことを要し、太(はなは)だ尽くすを忌(い)む」
(相手の過ちを咎める時には、露骨な叱り方は避けたい )

 

【Fのあなたのためのアドバイス】

自分の中にはまだ掘り起こされていない才能が眠っていると信じているあなた。時には組織のリーダーに立候補し、自分の“枠”を広げてみるよう心がけてみましょう。

 

 

中国故事は他にもある!
A〜Fに分けた6つのジャンルは、すべて代表的なものばかりでしたが、中国故事は他にも、「十八史略」「史記」「春秋左氏伝」「伝習録」「近思録」「呂子春秋」「礼記」「詩経」「書経」「易経」「呉子」「三略」「烈子」「淮南子(えなんじ)」「墨子」「法言 」……といったようにさまざまなものがあります。

 

実はちょっと仕掛けがあります

……さてこうして、いくらか中国故事に親しみを感じていただければ幸いですが、ストーリーカウンセリングにご関心を寄せる方に対しては、ここで話は終わりません。

実を言えば、本心としてはあなたに、この性格診断そのものを疑って欲しいのです。

「どういうこと?!」と思われた方、詳しくは引き続き、SC序論④をご覧ください。

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