④ 不安解消の糸口は自分の中にあった!
こんな私がいったい何を突破口にしたかというと、それは意外な方法でした。
私は現在まで童話創作をライフワークとしていますが、作品を書く時には、必ず設計図を作ります。
それは分かりやすく言うと、フローチャートのようなもの。
ある時、私は思ったのです。
「昔話をまとめるように、自分の人生そのものをフローチャートにしてやろうじゃないか!」と。
やってみると、効果はてきめんでした。
人生をストーリーとして捉えれば、ここでこうなってこうなったから、次はここへいくのが自然だろう……ということが見えてきます。
つまり、人生のストーリー化こそが、不安の解消に絶大な効果を発揮するということが分かったのです。
と同時に、不安を解消するための糸口は、他人に求めるべきものでははなく、自分の中にあるのだということが身に沁みて分かりました。
⑤ あなたの人生の流れ、納得していますか?
人生とは、細かな出来事の連なりです。
それぞれの出来事は、その前の出来事を受けて、感情が動き、それによって決断し、そしてそれが行動に結びつき、新たな出来事を起こす……といった流れ(ループ)になっています。
「その時どう思ったから、どう決断し、どう行動したのか?」といったことをきちんと振り返って把握し、それぞれの出来事をきちんと連結させてみると、自分が現在置かれている環境がよりクッキリと見えてきます。
そうすると、次に進むべき道は、自然と見えてくるのです。
ひとつ、面白い例をお教えしましょう。
私の好きな作家さんで、「寝る前には必ず自分の書いた本を読む」と公言している人がいます。
他の人が書いた本だと、「この流れからはこうはならないでしょ」と思うことが多く、悶々として眠れなくなってしまうそうです。(笑)
このことと同じです。
つまり、自分自身がきちんと納得した“ストーリー”の上を歩いていれば、人は、安らぎや安心感を得ることができるんです。
⑥ 人生をストーリー化する最もかんたんな方法
とは言え、あなたは今、こう思っていませんか?
「そんなこと言っても、自分は作文も苦手だし、ましてや物語なんて書いたことない、自分の人生をストーリー化するなんて難しくてできない……」
と。
このような方は、とても多いと思います。
一方で、「いい方法を聞いた、よし、自分でもやってみよう」と思われた方は、さっそくご自分で試してみるのもいいでしょう。
ですが、いざやってみると、これが思いのほか難しい行為だというのが、すぐに分かると思います。
一番難しい点はおそらく、「ここで自分はこう思ったから、こうしたんだ」という記憶に対し、自分自身で疑いを持ってしまう点ではないでしょうか?
こうしたところにつまずいてしまうと、それから先はどうしても筆が進まなくなってしまうのです。
人生をストーリー化するのに、一番効率的でかんたんなのは、〈人に話すこと〉です。
人は、他人に対し「伝えよう」という意思を持った時に、頭がより早く回転します。
きちんと伝えようとするがゆえに、一つ一つの言葉に小さな“責任”が加わって、思考に深みが出てくるのです。
当然、この時、話をする相手の態度も見ていなくてはいけません。
相手をしっかり見て、相手が自分の話にちゃんとついてきているか確認しながら、相手の質問をしっかりと聞くことになるでしょう。
それに答えていくという態度は、そのまま“自分の内部にあるもの”をしっかり見るということに結びついてきます。