⑩ストーリーカウンセリングの理念

私は、本当に“普通の人”です。

「日本に数名しかいない○○療法士!」とか「インドの山奥で修行してきました!」とか「霊が見えます!」などといった人物ではありません。

そんな私が、このストーリーカウンセリングを行います。

実情、日本では、自分の心の内を誰かに相談する、カウンセリング文化といったものは、さほど定着していません。

カウンセリングと聞くと、「別に私はそこまで病んでないし……」と、尻込みされる方がほとんどだと思います。

じゃあ、自分のことを誰かに話したい時、どうすればいいのでしょう?

親や友達にも話せないことをいったい誰に話せばいいのでしょう?

そういった需要に、今のところピタッと当てはまっているのが、街の占い師だったりするのだと思います。

でもそこには、「どれ、私がいいアドバイスを授けてあげよう」と考える人が待ち受けていて、ともすれば、〈相談をする人〉よりも〈相談をされる人〉のほうが主役になっているような状況があります。

私は、そこに異を唱えたかったのです。

また、そのような場では、すべてとは言いませんが、相談者を弱いままでいさせ、リピートしてもらうことで、高額な対価を得るというやり方も横行しています。

私は何も「人はもっと強く生きられるはずだ!」と主張したいのではありません。

私を含め、人はみな弱い生き物です。

誰しも、自分の長所より、欠点を理解し、愛してくれる人に心を開くものです。

ですが、人は成長することができます。

自分の人生ストーリーを把握することで、さまざまな想いに激しく揺れた自分を、きっちりと一つに統合することができます。

その上で、“自分自身”で道を選べば、その道は必ずひらけます。

これは私のもうひとつのライフワークである童話創作においても、まったく同じことが言えます。

私が童話を書くのは、人が本来持っている“純粋さ”に気付いて欲しいと思っているからです。

いずれにしても私は、『人が本来持っている心の中の宝物』を取り戻す手伝いができたら、と思っているのです。

この世を生きる皆が、とにかく“自分自身”のことを愛し、好きになって欲しいと思っています。

そうすればきっと、環境や、経済力や、能力の差によって、幸せかそうでないかを測るような考え方など、この世からなくなってしまうと思います。

「この世の中はこうである!」といったような、決まった形などないのです。

すべては、“自分自身”というフィルターを通して見ているに過ぎません。

人の幸せとは、どこかからやってくるものでも、手に入れるものでもなく、“気付く”ものです。

もしご縁があれば、あなたが自分の人生を肯定し、未来の希望に“気付く”ためのお手伝いができれば……と思っています。

いつの日か、ストーリーカウンセリグという形で、あなたとテーブルを囲む機会を設けることができればうれしく思います。